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非破壊検査について

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非破壊検査について

非破壊検査とは

プラント

非破壊検査(ひはかいけんさ)とは、調べるものを壊さずに検査対象物の状態や品質を調べる技術のことです。

検査対象物は、各種プラント(生産設備一式)をはじめ、鉄道や船舶などの各輸送機器、橋梁やビル、各種発電所や貯蔵タンク、地下埋設物などの各種構造物です。対象範囲は多岐にわたります。

先に述べましたこれらの機器や建造物は長いものになると数十年にわたって使用されます。従って経年劣化による不具合や事故のリスクが出てきます。
しかし、一度事故を起こせばその影響範囲が測り知れないものばかりです。不慮の事故を未然に防ぐ方法として定期的に検査を行う必要があります。

非破壊検査では下記のような故障や事故の起因となりうる因子を発見することができます。

1. 製造段階での異物混入や破損による「キズ」
2. 経年劣化や金属疲労などを原因とする「キズ」
このような故障や事故につながる因子を事前に発見し、排除することが重要です。

全ての検査の基本となる目視検査

目視検査

目視検査は、非破壊検査の基本です。この検査は検査員の目と簡単な測定器具を使って検査します。
検査員の目視可能範囲で表面のキズや外面腐食を確認することで対象物の状態の検査を行います。表面にキズや外面腐食があった場合は、外観の異常、腐食の範囲や大きさ、深さなどを確認します。
目視検査の結果次第では他の詳細な検査を行う必要がある場合もありますので、目視の検査は非常に重要な検査と言えます。

「目視」という一見簡単な検査のように思われますが、状況の判断(該当箇所の状態により追加でどのような検査を適用すればよいかなど)には、かなりの知識と経験が必要とされます。もちろん、経験思考だけで判断はできません。
知識と検証に基づいて判断をくだします。

目視検査の特徴

プラント設備の汚れ状況や損傷状況を把握したうえで、設計仕様や運転条件、使用経歴などを考慮して損傷原因、余寿命、設備の継続使用の可否などの評価を行います。下記のような判断やリコメンデーションなどを行います。
◆ 非破壊試験や破壊試験の適用の要否。
◆ 関連設備への拡大検査の要否。
◆ 補修や更新の要否。

九州インスペクションサービスの非破壊検査

3つの検査

超音波探傷試験

超音波探傷試験

超音波探傷試験とは、超音波を利用して対象物のキズの大きさや位置を測定する検査方法です。対象物として、金属、プラスチック、複合材料、セラミックスなどがあります。
現在の超音波探傷試験の主流は「バルブ反射法」です。「バルブ反射法」とは、簡単にいうと山彦のようなものです。ごく短い音を発信し、その音が対象物のキズに反射し戻ってきます。それを受信して、キズの場所を検知する方法です。
例えば、漁業で使われる魚群探査機や潜水艦探知に使われるソナーもバルブ反射法です。

超音波探傷試験の特徴

◆ 対象物の溶接部や鍛造品などの内部のキズの検出が可能。
◆ 対象物に触れることなく検査が可能。
◆ 超音波の進行方向に率直な面状キズ(割れなど)の検出が可能。
◆ 広範囲の検査に優れている。
※粗粒材(オーステナイト系網、鋳造品)および、鉛は検査不可能。

磁粉探傷試験

磁粉探傷試験

磁粉探傷試験とは、鉄鋼など強磁性材料の表面及び表面近傍のキズを検出する検査方法です。検査対象物として、炭素鋼や低合金鋼などの鋳鍛鋼製品、鉄鋼構造物などがあります。
磁粉探傷試験は、キズ部分から発生する「漏洩磁束」(磁気回路の外にはみ出た磁束現象)を利用しています。 強磁性体の材料を磁化させたとき、表面又は表面近傍のキズで磁束が漏洩することによって発生した磁極に磁粉(細かい鉄粉)を吸着させて、その磁粉模様を観察してキズの検出をします。

磁粉探傷試験の特徴

◆ 老朽橋梁点検には有効。
◆ 目視で検査ができるため、わかりやすい。
◆ 表面および表面直下の欠陥を検出可能。
◆ 2方向の磁化操作が必要。
◆ キズの深さはわからない。

浸透探傷試験

浸透探傷試験

浸透探傷試験とは、検査対象物の表面に開口しているキズに浸透液を浸み込ませて、再度表面に吸い出すことにより、キズを拡大した像にして検出する方法です。
検査対象物は、金属、セラミック、プラスチックなど個体材料全般です。
浸透探傷試験はカラーチェックとも呼ばれていて、赤色の染色浸透液と溶剤による除去処理および速乾式現象法を組み合わせてキズの検出をします。

浸透探傷試験の特徴

◆ 多孔質(木材、スポンジなど)以外は、非金属でも検査可能。
◆ 特別な設備が必要ない。
◆ 一回の作業であらゆる方向のキズが検出可能。
◆ 表面に露出したキズ以外は、検出不可能。
◆ キズの幅と深さは検出不可能。