KIS KISの非破壊検査
超音波探傷試験
超音波探傷試験とは、超音波を利用して対象物のキズの大きさや位置を測定する検査方法です。対象物として、金属、プラスチック、複合材料、セラミックスなどがあります。
現在の超音波探傷試験の主流は「パルス反射法」です。「パルス反射法」とは、簡単にいうと山彦のようなものです。ごく短い音を発信し、その音が対象物のキズに反射し戻ってきます。それを受信して、キズの場所を検知する方法です。
例えば、漁業で使われる魚群探査機や潜水艦探知に使われるソナーもパルス反射法です。
超音波探傷試験の特徴
- 対象物の溶接部や鍛造品などの内部のキズの検出が可能。
- 超音波の進行方向に垂直な面状キズ(割れなど)の検出が可能。
- 広範囲の検査に優れている。
※粗粒材(オーステナイト系網、鋳造品)および、鉛は適用困難。
磁気探傷試験
磁気探傷試験とは、鉄鋼など強磁性材料の表面及び表面近傍のキズを検出する検査方法です。
検査対象物として、炭素鋼や低合金鋼などの鋳鍛鋼製品、鉄鋼構造物などがあります。
磁気探傷試験は、キズ部分から発生する「漏洩磁束」(磁気回路の外にはみ出た磁束現象)を利用しています。
強磁性体の材料を磁化させたとき、表面又は表面近傍のキズで磁束が漏洩することによって発生した磁極に磁粉(細かい鉄粉)を吸着させて、その磁粉模様を観察してキズの検出をします。
磁気探傷試験の特徴
- 老朽橋梁点検には有効。
- 目視で検査ができるため、わかりやすい。
- 表面および表面直下の欠陥を検出可能。
- 2方向の磁化操作が必要。
- キズの深さはわからない。
浸透探傷試験
浸透探傷試験とは、検査対象物の表面に開口しているキズに浸透液を浸み込ませて、再度表面に吸い出すことにより、キズを拡大した像にして検出する方法です。
検査対象物は、金属、セラミック、プラスチックなど個体材料全般です。
浸透探傷試験はカラーチェックとも呼ばれていて、赤色の染色浸透液と溶剤による除去処理および速乾式現像法を組み合わせてキズの検出をします。
浸透探傷試験の特徴
- 多孔質(木材、スポンジなど)以外は、非金属でも検査可能。
- 一回の作業であらゆる方向のキズが検出可能。
- 表面に露出したキズ以外は、検出不可能。
- キズの幅と深さは検出不可能。